損害賠償請求される者 責任の範囲

責任無能力者

未成年者は,他人に損害を加えた場合において,自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは,その行為について賠償の責任を負わない。

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は,その賠償の責任を負わない。ただし,故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは,この限りでない。

[弁識]:物事の道理を理解すること。わきまえ知ること。

責任無能力者の監督義務者等(未成年者の親権者等)の責任

上記責任無能力者がその責任を負わない場合において,その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は,その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,監督義務者がその義務を怠らなかったとき,又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。

監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も,上記の責任を負う。

使用者等の責任

ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその仕事をする際に第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。

使用者に代わって事業を監督する者も,上記の責任を負う。

上記は,使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

[被用者]:他人に雇われている人。労働契約に基づき、使用者から賃金を受け取って労働に従事する者。

注文者の責任

注文者は,請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし,注文又は指図についてその注文者に過失があったときは,この限りでない。

土地の工作物等の占有者及び所有者の責任

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは,その工作物の占有者は,被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし,占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは,所有者がその損害を賠償しなければならない。

前項の規定は,竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

上記の場合において,損害の原因について他にその責任を負う者があるときは,占有者又は所有者は,その者に対して求償権を行使することができる。

動物を飼っている者の責任

動物の占有者は,その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは,この限りでない。

占有者に代わって動物を管理する者も,前項の責任を負う。

共同不法行為者の責任

数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも,同様とする。

実行者を教唆した者及び幇助した者は,共同行為者とみなして,前項の規定を適用する。

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